ミツオです。
今でもそうだが。ミツオはやはりベース弾きであったのだ。
今日ウェザー・リポートという、フュージョンとは呼びたくないが、そういう分類によくされてしまうジャズバンドの「8:30」というライヴアルバムを聴きながら通勤していた。
この伝説のバンドが伝説たるゆえんとして、ベーシストに故ジャコ・パストリアスという天才が在籍していたという事実がある。この「8:30」も彼が在籍した時期のもので、いうなればウェザー・リポートの絶頂期だったと言ってもよかろう。ミツオ個人的には前ベーシストのアルフォンソ・ジョンソンも好きなのだが、ジャコとは比べようもない。
ベース弾きだから、ベースを聴くというわけではないが、どうしても耳がそちらに行ってしまう。
昔は速く弾けることや、複雑なフレーズが弾けるとか、とにかくパフォーマンスが目立つとかが「かっこいい」基準であったのだが、年をとるにつれてその基準はどんどん変わっていった。もちろん今でもビリー・シーンの高速タッピングや江川ほーじんのパキパキのスラップを聴くと、全身が粟立つのを感じる。
だが、自分が「やりたい」と思うプレイはやはりそうではなかった。それは今まで色々な曲をコピーしたり、色々なバンドで人と絡んでみたりして、そのたびに変化はしてきたのだが、やはりどこかで「度業者に認められたい」という願望が常にあった。
屈折した願望だが、一般にはわからなくてもいい目立たなくてもいい、だがわかる人にはわかって欲しいというヤツだ。
それは今日のジャコを聴いていて、ものすごく感じまた鳥肌さえ立ったものである。
「バードランド」や「お前のしるし」「ティーンタウン」等、メロディックでベースが花形となるこれらにはみんな大喝采でとても盛り上がっている。ミツオも大好きな曲だ。
一方で「サイトシーイング」とか、あと何だっけ?とにかくタイトルも出てこないような無名とは言わないけど一般にあまり知られていない曲でのプレイ。これがまた「かっこいい」のだ。別にメロディを弾いているわけでもなく、特別にテクニックを披露しているわけでもない。聴きどころは、全体を支配している「グルーヴ」だ。それを淡々と、ハミ出すこともせずぐっと秘めているような緊張感に戦慄すら覚えるのだ。
だから今では「スラング」のような、ジャコのアドリブソロ曲よりも、曲の中にいるジャコのほうがゾクゾクすることがある。なんと憎たらしい。
ちなみに最近はまた、ベースから遠ざかっているミツオには、弾きたくても弾けないわけで。
練習しなさいと、そういうことなんだな。
